BEST ALBUMS OF 2020
2020年の年間ベストアルバム。あれもこれもと選んだらいつのまにの30枚。と、おまけの6枚。
30位 - 21位
30. Zebra Katz - LESS IS MOOR
2013年『DRKLNG』以来、地味に待っていたのですが全く出ねえ!が、忘れた頃に気づいたらおいおいGorillazのアルバムに客演、そしてついに出た!なZebra Katzの1st。インダストリアルなヒップホップですが妖しい感じもあり、よい。
29. Liv.e - Couldn’t Wait to Tell You…
Eryka BaduやSolangeを想起させる煙たい感じが最高なネオソウル。
28. Vladislav Delay - 500 Push-Up (feat. Sly Dunbar & Robbie Shakespeare)
DUBとは何かと言われれば、Sly & Robbieの脳天を揺さぶるドラムと地を這うようなベースのことです。Vlasdislav Delayの仕事がバリOn-U。
27. Call Super - Every Mouth Teeth Missing
Anthony NaplesのInciensoからのリリース。ひたすら気持ち良く音が積み重なっては引かれていくミニマル・テクノ。
26. Sauce and Dogs - Sauce and Dogs
ロンドンの謎プロジェクトがブラジルで録音したとかいう謎しかないノーウェイブなエクスペリメンタル・ジャズ。かっこいい。
25. G Sudden - Bunout Boss
Seekersinternationalのプロデュース、そしてBokeh VersionsとDuppy Gun Productions(Sun ArawとM. Geddes Gengrasのレーベル)からの共同リリースという時点で間違いのないめちゃクールなダンスホール。ジャケはめちゃダサい。
24. Theo Parrish - Wuddaji
大先生の新作も間違いなくよい。最高のハウス・ミュージック。徹頭徹尾サイコーです。
23. Sam Gendal - Satin Doll
Sam Gendalによるジャズのスタンダード・ナンバーを解体、再構築。ジャケットのような幽玄な雰囲気でサイケデリックな感じもあり、またダブ的でもあるというか。すごくよい。
22. 1995 Epilepsy - 1995 Epilepsy
めちゃくちゃダサい。けどそこがよい。みたいなのが唯一許される男Dean Bluntのレーベルから出たダサい一枚。結局、誰なのかはよく分からない…
21. Sorry - 925
サウスロンドンのバンドのデビューアルバム。どこか不完全なものにやはり惹かれる。925。
20位 - 11位
20. Tara Clerkin Trio - Tara Clerkin Trio
ブリストルTara Clerkinを中心にころころメンバー入れ替わりなTara Clerkin Trioのデビューアルバム。SaravahがRough Tradeと出会ったら...とかJulia HolterとMassive AttackとBrigitte Fontaineの奇跡の邂逅とか言われていますが、そんな感じのずっと聞いていられるアルバム。
19. Speaker Music - Black Nationalist Sonic Weaponry
SAULTの2作やRTJ4などと並べられるべき、記憶に刻むためのアルバム。強烈なビート。Make Techno Black Again。
18. Piezo - Perdu
Piezo待望のデビューアルバム、信頼と実績のHundebissから。おいおい超いいじゃんかよ〜。
17. John Bence - Love
Yves Tumor のGroomingからめちゃ強烈な『Kill』をリリースしていたJohn Bence、アルコール依存症からの禁酒中に制作したらしいThrill Jockeyからのデビューアルバムはまさかのピアノ・アンビエント。まだ終わっていないけど、始まることもない。みたいな一枚。
16. Moor Mother & billy woods - BRASS
今年急に多作なMoor Motherはどれも良かったですが、Armand Hammer『Shrines』(これもめちゃ良かった)での共演を得てのBilly Woodsとの今作が一番好き。Adult Swimでのシングル単発かと思っていたので、アルバムで聴けて嬉しい。
15. Alex Zhang Hungtai, Tseng Kuo Hung - Longone
ex. Dirty BeachesのAlex Zhang Hungtaiと、台湾のバンド落日飛車のメンバーTseng Kuo Hungによるサイケデリック・ダブ。やはり天才なAlex Zhang Hungtai。
14. Jabu - Sweet Company
ブリストルYoung Echoのメンバーによるトリップホップを2020年にばっちり更新した一枚。M3『Lately』の10インチSununによる『Lately Dub』もまた最高のダブ・バージョン。
13. Mica Levi - Ruff Dog
音に作家性を刻める数少ない天才。突然のMika Levi名義デビューアルバム。バンド名義Good Sad Happy Badでお出しになられたやつもめちゃ良かった。
12. Daniel Blumberg - On & On
元CAJUN DANCE PARTYで元YUCKのDaniel Blumbergの2nd。浮かんでは消えてを繰り返し永遠に循環していくOn & On... そして、頭がおかしくなりそうなアルバムタイトル。怪盤。
11. Naeem - Startisha
あのSpank Rockと聞いて。完全に今にアップデートされていて泣けるオルタナティブ・ヒップホップ。The NationalのAaron DessnerとBryce Dessner、そしてJustin Vernonの37D03Dからのリリース。
10位 - 1位
10. KeiyaA - Forever, Ya Girl
Liv.eとも親和性の高そうな、こちらはよりザラついた質感とサイケデリックな仕上がりでとてもすきなオルタナティブR&B。Every N***a Is a Star。
9. Son Lux - Tomorrow II
音響の衝撃度は『tomorrow I』の方が上だったけれど、より密室感があり、より美しいこちらの方が好き。これもまた"喪失"のアルバム、たぶん。
8. Duval Timothy - Help
冒頭からただただ美しい...なアルバムで感動してしまった。Duval Timothyは料理本を出しているらしい。料理本を出すアーティストは他にはSnoop Doggしか知りません。
7. SuiseiNoboAz - 3020
言葉はあまりにつよく、ギターはあまりにエモーショナル。『それから』の完璧すぎるクロージングトラック感。
"
その全てを見終えるまでは決して席を立つんじゃないぜ"
6. bar italia - Quarrel
これもまたDean BlantのWorld Musicからの謎デビューアルバム。Hype Williams 特有の、あのローファイでドラッギーな感じがたまらなくよい。それにしても謎。
5. Cindy Lee - What's Tonight To Eternity
元WomenのPatrick FlegelによるCindy Leeのアルバム。Frankie Teardropのような美しさ。亡きメンバーに捧げられた最終曲『Heavy Metal』。"喪失"のアルバム。めちゃくちゃによい。
4. The Microphones - Microphones in 2020
循環するギター。ノイズ。終わらない今。溶けていく境界。マジで泣ける。
3. Luarine Frost - Lena
フリージャズ。ミニマルなトラックにダビーな音響処理。ドストエフスキー「おかしな人間の夢」 。2020年で一番よいダブ。ジャケットも秀逸。"喪失"のアルバム。
2. King Krule - Man Alive!
とてつもなく鋭く乾ききったA面。そして一転、深く沈み込むようなB面の音の拡がり。いまとなってはまだ到達点ではなかった過去2作とともに自分のオールタイムベストに入る一枚。ゆえに実質の一位。わかるまで200日くらいかかったが。
1. Moodymann - Taken Away
だがしかし、Moodymann。1月なのにむせかえるようなフロアの熱気、べたつく床、山盛りの灰皿、治安、酒、Purple Haze、ベッドが恋しすぎる朝4時、絶対に翌日を迎えたくない朝5時、治安。すべてが恋しい。Moodymann 史上屈指の激ソウルフルな一枚。"奪われた"ものを取り戻すためのアルバム。
※ ストリーミング配信はM6『I'm Already Hi』, M9『I Need Another ____』は未収録。Bandcampのトラックリストには未掲載のM10『Do Wrong (skate edit)』は購入すると聴けます。
Others
初出が2020年くらいしか厳密に選ぶ基準はないけど、なんか理由をこじつけて選外にしてしまった。が、記憶として残しておきたいいくつかの作品。
• V.A. - SOS Music Vol.1
女性とノンバイナリーに焦点を当てているというLAのレーベルSOSのコンピレーション。全部よいけど、Hinako OmoriによるM1『Dopamine』が素晴らしい。
• V.A. - Door to the Cosmos
On the Cornerのコンピレーションもめちゃくちゃ良かった。アフロ・フューチャリズムとダブの融合。みたいな。
• V.A. - Sharpen, Moving
ブリストルのレーベルTimedanceの5周年記念コンピレーション・アルバム。最高のダブ・テクノ。
• Darkside - Psychic Live July 17 2014
Nicolas Jaar とDave Harringtonによるユニット、Darksideの2014年ライブ盤。最高すぎる...マジで最高...一番よいNicolas Jaarです。年末突如出たシングルも最高ゆえに2021年、アルバム出るとのことでめちゃくちゃ楽しみ。
• Dirty Projectors - 5EPs
Dirty Projectors、どの曲も最高であった。この一連のEPを経ての新作もまた楽しみ。BOX SETが5色のカラーヴァイナルで見てて楽しいのと所有欲満たされ具合が半端ない。
• Dijon - How Do You Feel About Getting Married?
泣いた。
2020年、例年より多分に情緒...なチョイスでした。そのうち2010年代のベストアルバムも考えたいと思います。